話し方・聞き方の法則 Communication Report
緊張しないおまじないをつくろう!
緊張防止には、手のひらに「人」という字を3回書いて飲み込む。
こんな「おまじない」がありますよね。
みなさんも一度くらいは試したことがあるんじゃないでしょうか。
このおまじないも、効果を発揮することがあります。
ただし、それは、「人」の字を飲み込むという行為が習慣になっていて、初めてうまくいくのです。
どうすれば緊張がゆるむかは、人それぞれ。
ですから、「これをすれば本番でドキドキしない」という自分なりの習慣をつくってみましょう。
アナウンサーになりたての頃、私はずっと緊張しっぱなしでした。
オンエア直後の「本番まで10秒前、8・7・6・5・4…」の声でビクッとしてしまい、目が真ん丸になって、まばたきがほとんどできなかったことがあります。
このときは、本番が終わった後、まわりから「目が怖かったよ」と言われて落ち込んでしまいました。
だから、本番前に「これをやっておけば大丈夫」という習慣をつくることにしたのです。
緊張防止の『習慣づくり』
私がつくった習慣は早口言葉でした。
本番前に化粧室に入ったとき、鏡の前で「ぽろぺれぷるぴりぱら、ぽろぺれぷるぴりぱら」と、早口で10回続けるのです。
それでまた噛まなかったら、「今日の私は噛まないから大丈夫」と安心することができました。
同僚に見られたときは、「何、それ!」と笑われてしまったのですが、この早口言葉の習慣をつくってから、必要以上にあがらなくなりました。
なぜ、習慣をつくることが、緊張防止につながるのでしょう?
オリンピックで、競技が終わったばかりの選手に「どんなふうに挑みましたか?」とインタビューすると、たいていの選手が「いつも通りにやりました」答えますよね。
ポイントはここです。普段と同じように会場に入り、普段と同じように準備をして、普段と同じように本番に臨めば、重要な場面でも、平常心を保つことができるでしょう。
フィギュアスケートの羽生結弦選手は、いつもスタート位置に着く前に、「大丈夫」と4回声に出して自分に言い聞かせているといいます。
そうすることで、自分に暗示がかかり、自信が生まれるのでしょう。
「いつも通り」は、大事なのです。
終わりに
簡単にできる緊張のゆるめ方をご紹介しておきます。
習慣を思いつかない方は、参考にしてみてください。
緊張しているときは、どうしても肩に力が入ってしまうものです。
プレッシャーに気持ちをつぶされないようにするには、この力をゆるめなければいけません。
まずは、スーッと大きく息を吸いながら、肩をグッと上に引き上げます。
そして、ハーッと息を吐きながら、一気に力を抜いて肩を落とすのです。
この肩の上げ下げを5回繰り返すだけで、かなり緊張感を和らげることができます。
この動作も、大事なのは普段からやっておくこと。
会話以外の緊張する場面で、実践してみてください。
何度か繰り返すと、うまく緊張が抜けて、ベストな状態で人前に立てるようになります。