話し方・聞き方の法則 Communication Report

5秒の“間”で聞き手をひきつけよう!


これまでのお仕事の中で、企業のプレゼンをたくさん見てきました。

つくり込まれた資料や、華々しい実績を見ると、いつも感心してしまうのですが、残念に思うことがひとつあります。図やグラフがスクリーンに出ていると、「見ればわかるでしょ」と言わんばかりに、素早くページを切り替えてしまう人が多いのです。

 

見せ場で効果的に“間”を使う

私は、「ここぞ」という見せ場では、話し方を工夫するべきだと思います。

そのために効果的なのは“”です。

たとえば、A社とB社の比較で、どれだけA社が素晴らしいかを示すとき、「A社とB社はこんなに違うんです」とグラフを見せるだけでは、聞き手の心には響きません。

A社とB社を比べると()…何と6倍も違うんです!」と言えば、スゴさが十分に伝わります。このように、間を上手に使うと、聞き手の心をグッとつかめるのです。

 

間を取るときのポイントは、長さ・使う場面・タイミング3つです。

一番大切なポイントは、間の長さ

「長すぎるかな」と思うぐらいに取ると、聞き手にとってちょうどいい間になります。

私はいつも、心の中でゆっくり5つ数えています。

これは、やってみるととても長く感じるのですが、聞き手が「あれ?どうしたのかな?」と関心を寄せるためには、十分な長さなのです。

みなさんも、沈黙を恐れずに、思い切って時間をとってみましょう。

 

2つめは間を取る「場面」です。

2倍になった」「50パーセントアップ」のように数字の変化を強調したいときや、新しい商品やサービスを紹介するときにも間は効果を発揮します。

1年間で、何と」の後に間を入れて、「10億円の売上を達成しました」というと、数字の大きさを強調することができます。

 

新商品の発表をするときも、「実は新商品が出ました」と言うよりも、「実は」の後で一拍置いて「新商品が出ました」と言うと、聞き手は「そうなんですか!?」と興味を持ってくれるでしょう。営業などで相手が自社の商品になかなか興味を持ってくれないと感じている人は、意識的に間を取ってみてください。

 

最後は、間を取るタイミング

効果的なのは、一番伝えたいことの“前”、強調したいことの“後”です。

弊社ではオンラインの動画を販売しているのですが、その説明をするときは、「半年間で、購入者が何と7万人を突破しました」と言ってから間をあけています。

すると、拍手が起きるのです。

でも、「7万人を突破しました」と言った後に、次の文章をつなげてしまうと、そのスゴさが伝わりません。プレゼンの達人になると、「これを実現したのは当社だけなのです」と強く言った後で会場を見渡し、拍手を促します。

ただ、これは慣れていないとできないでしょうから、まずは伝えたいことの前に間を取るところからチャレンジしてみましょう。

 

日常会話で使う場面

人前で話すときに限らず、日常会話でも効果的に間を使う場面があります。

商談で自社製品(サービス)について説明したのに、あまり関心を持ってもらえなかったら、「実は今、思い出したことがあるんです」と言って、間をあけます。

それから、「これは〇〇さんだけにお話しするんですが、聞いてもらえますか」とつなげると、「あなたは特別だ」というメッセージを伝えられます。

相手も思わず身を乗り出すかもしれません。

 

終わりに

なお、間の長さが十分かどうかは、自分ではわかりにくいものです。

自信がなければ、ボイスレコーダーなどに録音してみるといいでしょう。

録音したものを聞いてみると、意識したつもりでも全然間が取れていないということがよくあります。どれくらいの間隔をあければ聞き手が「?」と思うのか、自分で確認しながらベストな時間を探ってみてください。

 

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