話し方・聞き方の法則 Communication Report
寝る前の笑顔づくりで気持ちをリセットしよう!
仕事で失敗して上司に怒られてしまった。
恋人とささいなことでケンカをしてしまった。
こんなとき、モヤモヤしたままベッドに入ることはありませんか?
気分が落ち込んだままだとなかなか眠れませんし、起きてからも「会社に行きたくないな」「人に会いたくない」などと思ってしまうでしょう。
ネガティブな気分が、新たなトラブルを生んでしまうかもしれません。
この悪いスパイラルを断ち切るためにも、寝る前に気分をリセットすることが必要です。
そこで試してもらいたいのが、夜、寝る前の「笑顔」トレーニングです。
寝る前の「笑顔」トレーニング
トレーニングは、「いー」と言ったまま口を横に広げ、その状態を1分間維持するだけ。
簡単なことですが、これが笑顔をつくる練習になるのです。
「ういうい体操」でお話したように、「い」は笑顔の形です。
ですから、この形をうまくキープして、自然な笑顔をつくれるように練習します。
イヤな気分をリセットすることと、このトレーニングがどう関係があるのか、疑問に思う人がいるかもしれません。
イヤなことがあったとき、無理にでも笑顔をつくると、気持ちがポジティブになる。
この事実は、脳科学的にも実証されています。
楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔をつくることによって楽しくなるということです。
だから、単に「いー」と言うだけでなく、「ラッキー」「ハッピー」のように、語尾が「い」で終わるポジティブワードを繰り返して、発声練習をするのもオススメです。
このトレーニングを続けると、笑顔の口の形を体に覚え込ませることができます。
「”筋トレ”で笑顔をつくる」と考えると、わかりやすいかもしれません。
緊張する場面で「笑わなきゃ!」と思っても、急に笑顔をつくることはできません。
それどころか、口元が引きつったような不自然な笑いになってしまいます。
ですから、普段から笑顔の筋トレをしておくと、人前で話すときも、無理なく微笑むことができるようになります。
ピンチを救う「ポジティブな笑顔」
私はアナウンサーになりたての頃、深刻なスランプに陥ったことがあります。
気をつけていても何度も原稿を読み間違えてしまうのです。
そのせいで時間が足りなくなって、話している途中でCMに切り替わってしまったり、うまく話をつなげなかったりしたことがありました。
落ち込んでいる私を見て、先輩のアナウンサーが、こう言ってくれたのです。
「鏡で自分の笑顔を見てきなさい」
私は、化粧室に行って鏡を見てみました。
そのときの笑顔は硬くこわばっていて、自分の内面をよく表しているようでした。
(立て直さなきゃいけない)
ピンチを救ってくれるのは、ポジティブな笑顔です。
急いで笑顔をつくり直して戻ると、先輩から「次はうまくいくから大丈夫!」と言われ、気持ちが落ち着いたのです。
その後、スランプは嘘のようになくなっていました。
それから、落ち込んだり焦ったりしたときは、鏡で自分の笑顔を見て、「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるようになったのです。
私はそうやって、話せない自分を励ましてきました。
みなさんも、うまくいかないときは、笑顔のトレーニングを試してみてください。