話し方・聞き方の法則 Communication Report
文章をできるだけ短くカットしよう!
いつも「話が長い」と言われて、悩んでいる人もいるでしょう。
話が長いといっても、空気を読まずに自分が話したことを長々と話す人と、文章がなかなか途切れなくて聞きづらい人、両方のタイプがいます。
話が長くなるときの改善案を考えよう
ここでは後者のタイプの改善案を考えましょう。
文章がなかなか途切れないというのは、こんな感じです。
「今日は渋谷にあるカフェで取引先の池田さんと話していたんですけど、そうしたら別の取引先の大野さんという人に会って、話が長引いちゃって、会社に戻ってから用意しようと思っていた資料の作成が間に合わなくて、会議に遅れてしまいました」
普段は問題なく話せているのに、大勢の前で話すときだけ、こうした話し方になってしまう人もいます。
すべての話をつなげてしまうと、聞き手の頭の中にまったく情報が入っていきません。
ですから、できるだけ一文を短くしましょう。
たとえば、
「今日は渋谷のカフェで取引先の池田さんと話していました。そのとき、別の取引先の大野さんに会って、話が長引いてしまったんです。それで、会社に戻ってから用意しようと思っていた資料が間に合わず、会議に遅れてしまいました」
とするのです。これで一気に理解しやすくなりました。
文章を短くする効果は、話がわかりやすくなるだけではありません。
ひとつの文が終わった後に、聞き手が「はい」「そうなんですか」とあいづちを打ちやすくなるので、双方向のコミュニケーションが生まれやすくなるのです。
一方、一文が長いと聞き手が話せないで、コミュニケーションが一方通行になりがち。
話の途中でわからないことがあっても、質問のタイミングがつかめないので、そのまま話を聞くしかありません。
一文が長いと、聞いている側には最初と最後しか印象に残りません。
私たちの講座でも、1分間の自己紹介をするときに、「です/ます」で区切らず、伝えたいことをずっと続けて話してしまう方がよくいらっしゃいます。
それでは、せっかく自己紹介をしても、名前しか記憶に残らないのです。
普段からの習慣づけ
一文を短くする習慣をつけておくと、大勢の前で話すときに言葉が詰まってしまっても、失敗を防ぐことができます。これを私は「立て直し」と呼んでいます。
たとえば、こんな文章があったとします。
「弊社のサービスは、今、日本だけではなくアジア各国に浸透しており、なかでも中国に広く受け入れられている段階でして、さらにヨーロッパへの進出を見込んで、来年にはイギリスでも事業を展開する予定です」
この文章を最後まで一気に言おうとすると、大変でしょう。
途中で、「中国にも広く受け入れられていまして、えー、えーと……」とどこまで話したのかがわからなくなってしまうかもしれません。
こういう場合、短い文だと軌道修正をしやすいのです。
「弊社のサービスは、今、日本だけでなくアジア各国に浸透しています。中国でも広く受け入れられている段階です。さらにヨーロッパへも進出を見込んで、来年にはイギリスでも事業を展開する予定です」
これぐらいの文だと、途中で中国に関する説明が抜けてしまっても、意味が通じるので話を立て直すことができます。
まとめ
一文を短くするには、話す内容を事前に箇条書きにしてみること。
ひとつの文に内容がいくつも入っている場合も、箇条書きにする作業を通じて、必然的に1文=1内容になります。
このメモをもとに話せば、聞き手が理解しやすい話をつくることができるでしょう。