トークナビインターン生がインタビュー形式でお届け!
今回は「局アナ時代編」です。
-アナウンサーとして活動していた中で印象に残っていることはありますか?
1番印象に残っていることは、3.11東日本大震災ですね。
私が住んでいたのが東北の青森県だったので災害情報を伝えるキャスター経験が特に印象的です。
-その時は青森放送でアナウンサーをされていたんですよね。
そうです。報道キャスターとして、連日報道を続ける日々でした。
震災当時の青森ですと、吹雪の中、停電が起きたことで暖房がとまり凍える寒さ。
信号機や街中の電源が落ち、真っ暗なコンビニやスーパーから食べ物等の陳列はすべてなくなる異様な光景でした。
そんな中、情報取得の手段として、ラジオは聴けたのです。
ひとつのラジオに体育館でみんなが集まって、寒い中毛布をかけながら情報を聞いている光景が忘れられません…。
情報を得ることによって次の行動にも繋がってくるので、“その情報が時に命に関わる”という体験を25歳の時にしました。
-アナウンサーになったばかりのときに、防災士の資格を取ったそうですが…きっかけなどはありますか?
きっかけは、報道に携わっていたので緊急時の対応を的確にしたいと考えたことからでした。
自然災害が起きた時の報道は非常に重要で、その中でも情報伝達の際にアナウンサーはアンカーになるのです。
それで、アンカーが的確な情報を伝えられなければならないため、緊急時の対応の勉強をしていて…。
その中の一つとして防災士資格を取りました。-防災士の資格を取るのは大変だと思うのですが。アナウンサーの仕事と並行して勉強していましたか?
そうなんです!結構長い授業を受けないといけないのですが、
アナウンサーの仕事と並行しながら休みの日に勉強して資格を取りました。
-アナウンサー時代の一日のスケジュールについて教えて下さい。
11:00 | 出社 ヘアメイク |
11:30 | ニュース下読み リハーサル |
12:00 | ラジオニュース お昼 |
13:00 | ラジオ定時ニュース 情報番組リハーサル |
16:00 | 情報番組 MC |
17:00 | 報道番組リハーサル |
18:16 | 報道番組 生放送 |
19:00 | ニュース振り返り 日報作成 翌日の収録準備 |
20:00 | 退社 |
-少しもぼーっと出来ないという感じですね。
本当にぼーっとする暇はないですね!
常に5分でも時間があれば発声練習しなさい!と言われていました。
発声も先輩に聞いて教わって、自分の現場以外に隙間時間ができれば、
先輩の生放送の現場を見て真似をし、改善する、特訓の毎日でした。
忙しいですが、毎日が挑戦の現場なので面白いです。気付いたら夜だ!という目まぐるしさです。
番組は1秒でも漏らしたら放送事故なので、尺、原稿、人の動きを全部見なきゃいけないんです。
手元の原稿を見ながら伝えつつ、ADを見て、スタッフの動きを見て…
スタジオの入口からスタッフが走っていたら、「なにか事件が起きた」と察して
「速報がきたら冷静に伝えられるようスタンバイする」空気を感じて先読みする日の連続です。
-常に頭フル回転ですね!
はい!秒針を意識して暮らす職業です(笑)
それで、どんなに疲れていてもテレビに映ったら嫌な表情はできないですし、
ワイプで急に顔が抜かれることもあるんですよ。
そのため、常に見られているという意識が必要ですね。
-局アナの仕事とフリーの仕事は、どう違いますか?
時間の使い方や求められる役割、業務形態等、違いがたくさんあります。
局アナは、決まった時間の中でいくつもの番組を担当するんです。
番組によって話し方を変えたり、見た目を変えたりと一日で3.4役をすることもあります。
あとは、出張旅費申請等の事務手続きだったり、電話応対、補充、調整等、テレビに出ている業務だけではないんですよ。
みんなが快適に使えるよう環境を整えます。
また局アナだと、企業の一員なので、会社の顔でもあります。
そのため、自分の行動が会社のイメージを作るので話す言葉や仕草が慎重になります。
常に見られているという意識で暮らしていました。
一方でフリーアナウンサーは、個人事業主であるため、オーディションを受け1本単位で仕事をするんです。
それで、仕事現場が終わると組織での業務がないため、一日の仕事が3時間で終わる日もあります。
局アナのときは、番組を何本もやるのですが、
フリーだとレギュラー1本で暮らしたりすることもあって現場が全然こなせないです。
いかに会社員が守られていて有難い環境かフリーになってからわかりました。
局アナとフリーアナでは環境は変わりますが、声で伝えるということには変わりないので
声や言葉を通して役に立てるよう努力を続けたいと思っています。
INTERVIEWER
トークナビ インターン
大田 新奈 niina ota
≪インタビュー後記✎≫
今回は樋田さんにアナウンサー時代のことについてお聞きしました!
私たち視聴者が見ているアナウンサーは一部に過ぎなくて、
実際のアナウンサーは秒単位で忙しなく働いているということが印象的でした。
次の記事では、【トークナビ誕生編】をお伝えしたいと思います!お楽しみに…✨