話し方・聞き方の法則 Communication Report
相手が絶対に忘れない自己紹介をつくろう!
初対面の人と会話をするときに避けて通れないのが、自己紹介でしょう。
自己紹介の目的は、言うまでもなく“自分”を覚えてもらうこと。
では、どうすればこちらの情報を覚えてもらえるのでしょうか?
印象を残すテクニック「ギャップ」
テクニックのひとつが、「ギャップ」を入れることです。
たとえば、見た目は真面目そうな人が「夜はクラブでDJをやっています」と言うと、聞き手は「へー」となります。
また、カフェで静かにお茶をするのが好きそうな女性が、「実はバイクに乗るのが大好きで、1ヶ月に200キロくらい走っているんですよ」と言ったら、どうでしょう?
アッという間に「バイク好きな〇〇さん」として覚えてもらえるでしょう。
外見からは想像できないようなギャップを伝えると、驚きによって印象が強くなり、覚えてもらえるのです。
こう言うと、「自分にはそんなギャップはないから無理だ」と思う人もいるでしょう。
でも、たとえ誰も驚くようなギャップを持っていなくても、表現次第で相手に強い印象を残すことは可能です。
もし、ピアノが弾けるのなら、「25年間、毎日30分間の練習を続けています」と言うと、聞き手は「へー、そんなに長く続けているんだ」と思うでしょう。
「趣味は読書です」と言うだけなら「そうですか」で終わってしまいますが、「1年間に300冊くらいは読んでいます」「寝る前に必ず10分間読むようにしています」のように、数字を効果的に入れるとインパクトがある自己紹介になります。
アナウンサーなら、「私は司会のお仕事が好きで、年間で約300本の司会をしています」という形で数字を入れると、「ああ、この人は司会が本当に好きなんだ」「たくさん依頼がくるということは得意なんだな」と思ってもらえます。
自己紹介のつくり方
私は自己紹介をするときに、必ず現在・過去・未来を入れて話すようにしています。
「私は今、TBSの『〇×□△』という番組でニュースを担当しています。
実は子どもの頃は、話すのが大の苦手でした。そんな私がアナウンサーになったのは、日本全国で起きた情報をいち早く伝えられる仕事にあこがれたからです。
東日本大震災のとき、ニュースの大切さを改めて認識するようになりました。
今後は日本だけではなく、世界中のニュースをわかりやすく伝えていけるような報道キャスターを目指します。」
最初に“現在”の仕事の話をし、「子どもの頃」「東日本大震災」と“過去”にさかのぼって、最後に「世界中のニュースをわかりやすく伝えられる報道キャスターを目指します」と“未来”の話で締めくくっています。
自分を売り込むとき、人はついつい自分の経歴をアピールしがちです。
でも、考えてみれば、経歴は履歴書を見ればわかることですよね。
だからこそ、履歴書を読むだけではわからない、過去や未来の情報を加えるのです。
この自己紹介のつくり方は、就職(転職)活動の面接にも使えるかもしれません。
現在の自分の情報を伝えながら、どんな人間だったのか(過去)、どんなふうになりたいのか(未来)を合わせて伝えれば、きっと面接官の心をつかめるでしょう。
「キャッチコピー」を考えよう!
自己紹介では、オリジナルの「キャッチコピー」を伝えるのも有効です。
名刺交換をするときに、ただ「□□□税理士法人の〇〇です」と言うより、「スマイル一番、税理士の〇〇です!」と言えば、確実に相手の記憶に残ります。
実はこのキャッチコピー、講座を受講された税理士さんが、実際につくったものです。
聞いてみると、「堅い職業ですからね。ムスッとしてあまり笑わない人が多いんですよ。だから、他の方と差別化するためにつけてみました」とのこと。その方は、自己紹介を「私は出会った人全員を笑顔にするような仕事をしていきたいです」とまとめていました。
この自己紹介なら、聞いた人の記憶に確実に残るでしょう。
私の場合は「あなたの声の伴奏者」、あるいは「女子アナ先生」というキャッチコピーで、話し方の講師であることを表現しています。
講座の初回はみなさん緊張していますから、そこで「女子アナ先生1号の樋田かおりと申します!」と明るく自己紹介すると、笑いが起こります。
みなさんも、自分ならではのキャッチコピーを考えてみてください。