話し方・聞き方の法則 Communication Report
「さ行」を使ってあいづちを打とう!
「話すのが苦手な人は、聞き上手になりましょう」と言いますよね。
これには私も同意見です。雑談はこちらが一方的に話さなければいけないわけではありません。聞き上手になれば、相手が気持ちよく話してくれるので、それに乗っかればいいのです。
とはいえ、黙って聞いていても話は盛り上がりません。
そこで必要となるのが、「あいづち」の技術です。
会話が弾む「あいづち」
私があいづちの大切さに注目するようになったのは、きっかけがありました。一般の女性が経営者の方としゃべると話が続かないのに、アナウンサーがしゃべるとなぜか会話が弾み、話が続くことが多いと気づいたからです。
(何が違うのだろう?)
そう考えて思い当たったのが、あいづちでした。
アナウンサーの女性たちは、相手が気持ちよく話してくれるように、さりげなくあいづちを打っています。それもバリエーションを豊富に用意していて、相手の言ったことを受け止めるときにも、
「そうですか」
「そうなんですねぇ」
「それからどうなったんですか?」
と使い分けているのです。このように、会話中に複数のあいづちを織り交ぜると、相手も話に乗ってくれるので会話が弾むのです。
あいづちを打つという行為は、一見簡単なことのようですが、きちんとできている人は意外と少ないのではないでしょうか。
カフェなどで隣の席の人の会話を何気なく聞いていると、「うんうん、うんうん」と小刻みにあいづちを打っている人がたまにいます。
本人は真剣に聞いているつもりなのでしょうが、「絶対に話を聞いていないだろうな」というのが簡単にわかってしまいます。
あいづちは「はい」「ええ」「へー」「うん」などが一般的でしょう。
ただこれを使い回すだけでは限界があります。
私は、同じあいづちは3回までというルールを決めています。
とくに、電話のときは要注意。顔が見えれば表情から話を聞いていることがわかりますが、電話のときのあいづちが「はい」ばかりだと、「本当に話を聞いているのかな?」と思われてしまうからです。
会話の途中で「わかってる?」「聞いてるの?」と言われたことがある人は、同じあいづちを繰り返しているのかもしれません。
聞き手の心に響く「3つのS」とは…?
私は、あいづちを打つときには、3つの「S」を意識するようにしています。
3つの「S」とは、「スゴい」「さすがですね」「素晴らしい」の3つです。
考えてみれば、先ほどのアナウンサーの例で挙げた「そうですか」「そうなんですねぇ」「それからどうなったんですか?」の頭文字もSでした。
「さ行」で始まるあいづちは、聞き手の心に響くのでしょう。
普段「へー」「はい」と言っているところを「スゴいですね」「さすがですね」に変えてみると、相手の反応が変わってくるかもしれません。
終わりに
最後に「つぶやく」という上級テクニックをご紹介しておきましょう。
普通に「スゴい!」と言っても、どうしてもわざとらしくなってしまうので、相手の発言の後、独り言のようにボソッと「スゴいな」と言うと効果があるのです。
あいづちが上手な人は、無意識なのかもしれませんが、相手の話を聞いて「それ、いいな……」のように、独り言をつぶやくことがあります。
すると、話している人は、直接「いいですね!」と言われるよりも、心から共感してくれていると感じるのです。
ここぞというときには、「つぶやき作戦」を試してみてください。