話し方・聞き方の法則 Communication Report
声を録音して「自分」と向き合おう!
みなさんは、自分の声を聞いたことがありますか?
「そんなの、毎日聞いてるよ!」と言われるかもしれませんが、それは本当の自分の声ではありません。
私たちの講座では、受講生のみなさんに自分の声を録音して聞いてもらうようにしているのですが、
たいていの方は「自分はこんな声なのか」とショックを受けられます。
その気持ちはよくわかります。
私も、録音した声を最初に聞いたときは、聞き慣れた声とあまりに違うことにショックを受けました。
人は、耳から聞いた音と、骨が振動して伝わる音の両方をリミックスした声を「自分の声」だと認識しています。
しかし、まわりの人が聞いているみなさんの声は、録音された声のほうです。
そのため、これがあなたの本当の声だと言われても、素直には受け入れられないでしょう。
自分の声を記録する目的とは…?
私は、毎日「自分の声」を録音して聞くことをおすすめしています。
録音は、スマホのアプリやボイスレコーダーなどを使えば簡単にできるでしょう。
自分の声を記録する目的は色々あります。
ひとつは、自分の声に慣れるため。
声を変えたければ、まず自分の声に慣れることです。
そして、自分の声を受け入れてあげなければいけません。
最初は抵抗を感じるかもしれませんが、聞き続けると、
「もうちょっとハキハキしゃべったほうがいい」
「語尾を伸ばしすぎている」
「滑舌が悪い」
というように、欠点に気づくようになります。
2つ目は、体調管理のため。
自分の声を毎日聞いていると、体調によって声が変わることがわかります。
「今日は体調がよくないから、声に元気がないな」とか、「よく眠れたから声にハリがある」といった発見があるので、体調管理ができるようになるのです。
さらに、声を聞くのは自分と向き合うためでもあります。
仕事が忙しいと、なかなか自分自身のことを考える余裕がありません。
けれども、録音した声を聞くことによって、不思議と自分の内面と向き合うことができるのです。
うれしいことがあったときははずんだ声をしているでしょうし、落ち込んだときには暗い声になるでしょう。
自分がどういう状況のときに、どんな声を出しているのかがわかれば、意識して改善することができるのです。
私は、
「おはようございます。今日は〇〇について話します」
と、自分でテーマを決めて話し始め、それを毎日1分間録音し続けました。
やってみるとわかるのですが、1分間は意外と長い時間です。
最初は何を言うか迷うでしょうし、自分の声にも戸惑うかもしれません。
けれども、続けていくと、だんだん慣れてくるものです。
継続してみて、1分が物足りなくなったら、徐々に録音時間を延ばしていきましょう。
終わりに
録音したものを聞くと、自分ではしっかり話せていたつもりでも、聞きづらいポイントが見つかることがあります。
気になる部分があったら、次から問題点を直すように意識して話してみてください。
そうやって、少しずつ話し方を改善していくのです。
顔色や体重をチェックするのと同じように、声も毎日チェックしてあげましょう。