話し方・聞き方の法則 Communication Report
【好きを仕事に】トーマスサリー先生インタビュー!
トーマス サリー Thomas Sally
大学卒業後、静岡第一テレビ・テレビ神奈川でアナウンサーとして活躍。
報道・情報・スポーツなど、あらゆるジャンルの番組を担当。
現在は、ビジネスマナー研修やコミュニケーション研修などの講師として幅広い層の受講生から支持を得ている。
講師を始めたきっかけは?
代表の樋田アナウンサーが同期で、学生の頃からの知り合いだったんです。
時々会ったりもしていて、トークナビのことは聞いていました。
講師という仕事に関して、「すごくやりがいがあって楽しい」と当時から聞いていたので、
いつか携われたらいいなとはずっと思っていたんです。
今年に入ってからまた会う機会があり、講師への関心があったのでチャレンジしてみようと思いました。
講師デビューの日までに、何かしたことはありますか?
準備はものすごくしました。
やはり自分がもっている技術は、日々の訓練で身につけたものなので、
それを話し方のプロではない方にどんな言葉で伝えるのが一番伝わるのかを考えたり、
普段感覚でやっていることを言葉にして伝えないといけないので、その訓練はかなり時間をかけました。
アナウンサーとして伝える時は、相手を『変える』ことを目的としてはいないのですが、
講師として伝える時は、相手が悩んだり困っていることに気づいて、それを改善して、変わってもらう。そしてそれを自分自身で実感してもらう。そこまでが講師の仕事です。
私から見ても、他の人からみても、そして自分自身でも変わったと思ってもらわないといけないので難しさはありました。
やりがいはどんなときに感じますか?
変わったのが目に見えてわかったときですね。
最初の研修が『ビジネスマナー研修』だったんですが、新入社員の皆さんの変わり方は特に顕著で。
学生から社会人になって、話し方が上手くパチッと切り替えられた瞬間、
そして話し方だけでなく意識までパチッと切り替わる瞬間を目の当たりにすると「なんて良い仕事なんだろう」と心から思います。
初めての研修ということもあって、研修が終わってもしばらく受講生の皆さんの顔が頭から離れませんでした。
しばらく経った今でも、一人一人の顔を思い出せば、その方がどんな性格でどんな話し方をするか、全員頭に入っています。
それくらい、私にとって大切な貴重な時間でした。
アナウンサーとしては当然だと思ってやってきたことが、受講生にとっては新鮮で喜んでもらえる。
この仕事をやっていて、誰かの役に立っていると感じられる瞬間です。
今後の目標を教えてください。
話すことはそう簡単に変えることはできないですし、私自身もアナウンサーとしてそれなりに話せるようになったと感じるまで数年単位で時間が掛かりました。
ですので一回限りの講師ではなく、何か話し方に困った時に相談してもらえる『パートナー』のような関係性で長く付き合っていきたいです。
新入社員だった方が、後輩を持つようになったり、役職がついたり…
そんな人生の要所要所でサポートしていけるような関係が作れたらいいなと思います。
講師を始めたいと思っている方にメッセージを!
初めに講師の研修に参加した時、実は「私には無理かも…」と思ったんです。
参加者皆で帰り道に「私達に出来るのだろうか」と不安な気持ちを分かち合った事を覚えています。
でも講師としてのデビューが決まって、その日まで一生懸命準備と訓練をし、いざ登壇してみると、思っていた以上にスムーズに、楽しみながら講師の仕事に入っていく事が出来ました。
アナウンサーの経験があって、あとは踏み出す勇気さえあれば、きっとやりがいのある充実した日々が待っていると思います。
一言でアナウンサーといってもそれぞれに個性がありますよね。
その個性が講師として存分に活かされると思うので、これまでの経験を自分らしく伝えていけば、それが一番いい形になるのかなと思います。
とにかく、まずはやってみることです。
やってみると、ちょっと生放送に近いというか、何が起こるかわからないという状況は似ているかなって。
アナウンサーとして持っている「対応力」も活かせるなと思います。