話し方・聞き方の法則 Communication Report
母音≪あいうえお≫の発声を見直そう!
伝わる声をつくるには、口をちゃんと動かさなければいけません。
モゴモゴした話し方になってしまうのは、口の動かし方が不十分だからです。
では、口を動かすトレーニングをしましょう。
母音の発声方法
母音とは、言うまでもなく「あ・い・う・え・お」の5つの音のことです。
なぜ、母音の発声練習をするかと言えば、母音がハッキリ発音できれば、言葉が明瞭になって、相手に伝わりやすくなるからです。
「あ」は縦に指を3本当てて縦長の丸の形。
「い」は横、「う」は口をすぼめる。
「え」はそれにフタをした感じで開く。「お」は丸の形です。
朝起きたとき、人前で話す前に、大きく口を動かしながら発声練習すると、その後の口の動きが滑らかになります。
ただし、これはあくまでもトレーニングです。
普段しゃべるときに口の形を意識しすぎると、不自然になるでしょう。
新人アナウンサーの話し方が何となくぎこちないのは、口をしっかり動かそうとするあまり、発声練習のような話し方になってしまうからです。
この点は、みなさんも気をつけてください。
母音の発声のコツ
母音の発声は、口の形以外に、舌の盛り上がり方、あごの開き方にコツがあります。
【あ】
前歯が見える状態で、上下の唇の間に指が3本入るくらい大きく開けます。
舌は自然に置いたままで、あごと一緒に下げます。
口が横ではなく縦に開いているかどうか、鏡でチェックしてみてください。
【い】
口角を上げて、ニコッと笑ったときの口の形です。
上の歯が8本そろって見えるのが理想的。
割りばしを口に挟んで、開き方がまっすぐになるよう左右のバランスを確認しましょう。
【う】
口をすぼめます。
5つの母音の中で、あごの開きが最も小さくなる形です。
唇の両端は中央へ引き寄せます。
唇を突き出しすぎないよう、注意してください。
【え】
驚いたときの「えっ!?」の口の形。
「あ」よりあごを閉じて、唇を左右に引きます。
舌先は下の歯の後ろにつけます。
【お】
唇を丸めます。
あごは「う」より下に下げます。
口の開き方は、小指が1本やっと入る程度。
舌は「う」よりやや奥に引っ込めます。
母音を練習するときは「あえあえ」「えいえい」をゆっくり繰り返して、舌の動きの感じをつかんでください。
それから「あえい」を繰り返して舌の位置とあごや唇の動きを確認します。
終わりに
できれば腹式呼吸も意識しながら発声練習すると、両方に効果があるのですが、
一度に両方を意識するのは難しいかもしれません。
教室でも、まずは口の形だけ練習しています。
とくに女性は口を横に開く人が多いので、発声練習のときに意識して口を縦に開くようにしてもらうと、美しい声になります。
男性に多いのは、口が全然動いていなくて、無表情で声にも感情がない人です。
反対に、表情が豊かな人は口もしっかり動いています。
大きく口を開けて「ははは」と笑う男性は、口もしっかり動くので、大体声が大きくてハッキリと話せています。
もし、まわりに「ははは」と大きな声で笑う人がいたら、その人の話し方を観察するといいかもしれません。
口を動かしていると、顔の筋肉も鍛えられるので、表情豊かになります。
やはり、表情と声はつながっているのです。