話し方・聞き方の法則 Communication Report
腹式呼吸をマスターしよう!~チェックポイント~
ここまで、腹式呼吸のメリットと練習方法をご紹介しました。
講座を受講された方から、「腹式呼吸をひとりで練習していると、できているかどうかがわからない」と言われることがよくあります。
そこで、腹式呼吸のチェックポイントについてもふれておきましょう。
肩は上がっていませんか?
腹式呼吸ができているかどうかのわかりやすい基準は、「肩」が上がっているかどうか。
息を吸ったり吐いたりしているときに肩が上がっていれば、腹式呼吸ができていない(胸式呼吸になっている)ということです。
とくに人前で話しているときに肩が動いてしまうのは、緊張で息が浅くなっている証拠。
まわりから、「あの人、焦っているけど大丈夫?」と、心配されてしまう状態です。
反対に、緊張する場所でも肩が上下せず、安定していれば、腹式呼吸ができていると考えていいでしょう。
レッスンをしていると、丹田は動かないのに、お腹のほうがふくらんでしまうという方がいらっしゃいます。
この場合も、残念ながら、腹式呼吸になっていません。
手をおへその下に置いて、その位置がきちんと動くように意識してください。
普段からよくカラオケに行く人や、接客業で声を出している人は、比較的早く腹式呼吸を習得できるようになりますが、いつもあまりしゃべらないタイプの人は、お腹がなかなか動かない傾向があるようです。
アナウンサーや声優さん、舞台俳優さんなど、声を仕事にしている人は、意識しなくても腹式呼吸になっています。
でも、それは日頃トレーニングをしているから。
意識しなくてもお腹から声が出るようになるには、地道な訓練が必要です。
大声を出さずに、相手に伝えられる『腹式呼吸』
私は、腹式呼吸を習得するまでに、ずいぶん時間がかかりました。
最初にレッスンを受けたのは高校生の頃でしたが、すぐには身に付かなくて、
22歳でテレビ局に入ってからも、ずっとレッスンを受けていました。
それでも、2年目くらいまでは先輩から「まだ腹式呼吸ができてない」と言われていたのです。
その頃、「声が細い」とよく言われていたのですが、それは腹式呼吸ができていなかったからでした。
口先だけでしゃべろうとするから、ふくらみのない、細くて弱い声になっていたのです。
でも、腹式呼吸でお腹から声を出すようになってからは、細い声でも安定した声に変わっていきました。
騒がしいカフェで話をしていても、大声を出さずに伝えられるようになったのは、このトレーニングのおかげです。
みなさんの中に、何度も「えっ?」と聞き返されてしまうという方はいませんか?
それはおそらく、以前の私のように、声が弱々しいからでしょう。
そういう人こそ、ぜひ腹式呼吸をマスターしてみてください。
声に力がこもって、話すことに自信がつくはずです。
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