話し方・聞き方の法則 Communication Report
【好きを仕事に】井上英里香先生インタビュー!
トークナビの講師を始めたきっかけは?
元々、話し方講師の仕事に興味がありました。代表の樋田アナウンサーとは大学時代から連絡を取り合う仲だったので、初期メンバーとして向上心ある仲間と一緒にスタートできたのは幸運だったと思います。テレビを見ていても正しい日本語を使えている人は少ないと感じています。正しく日本語を使える人を増やしたいと思っています。
講師を始める際に迷いはありませんでしたか?
正直なところ「私なんかが教えてもいいんだろうか。」という漠然とした不安はありました。
そこで、3か月間・週1回にわたって、講師になるための研修会を受けて勉強を始めました。研修では、どんなことを教えたらよいのかという内容はもちろん、講師としての心構え・教え方・褒め方・フィードバックのコツなどを学べました。研修を受けたことで自分の核となるものが出来、自分の講師像が明確になったと思います。
「“先生”なんて私には出来ない」という方でも、研修を受けて先輩講師の話を聞くと、自分の経験がたくさん活かせることに気づいていただけると思います。それに、今まさにアナウンサーをしている私だからこそ教えられることがあると気づけました。
実際に講師をしてみていかがですか?
とても楽しいです!経験談を話すこともあり、それだけで喜ばれたり新鮮に思われることが多いんです。私たちにとっては当たり前のアナウンサーの日常話や早口言葉の披露も「そんなに褒めてくれるんだ!」というくらい喜びの反応をいただけます。
中でも思い出に残っているのが、地元長野県での講演会の講師。新聞にも掲載され、地元の友人や家族も聞きに駆けつけてくれました。自分を育ててくれた環境に戻り、地域の人たちの役に立てるほど嬉しいことはありません。
また自分の経験談を加えながら話をすると何よりも説得力があることもわかったので、これからも現役のアナウンサーとして現場で色々な経験を積みながら、講師の仕事を続けていきたいですね。
井上先生が担当されている子どものための伝え方講座についても
教えてください。
塾やイベントで小学生向けの講座の講師をしています。子どもが好きなので、キッズ講師は元々やりたかったことでした。子どもたちはとても純粋でダイレクトに喜びを伝えてくれます。そんな素直な反応を目の前で見られるのが大きなやりがいです。
ただ、私の言い方ひとつで良くも悪くも簡単に変わってしまうので、子どもに対しては誤解のない、わかりやすい言葉選びを心がけています。また、良かったところをしっかり褒めてあげることも意識しています。
また、親御さんから聞いた話なんですが、お子さんが伝え方講座を受けた後もしばらくアナウンス原稿を練習していたと聞き、嬉しかったですね。キッズ講座には「将来の夢はアナウンサー」という子どもたちも多いので、自分が子どもたちの夢の延長線上に立っているんだという喜びや責任感を感じています。
講座を受けた方々の反応はどうですか?
元々引っ込み思案だったいう方からは「話すことが楽しくなりました!」「恐れず人と目を見て話せるようになった、自分の世界観も変わった」という声をいただきました。
他にも「将来を明るくする研修なのでもっとやってほしい!」と言われたり、研修が終わった後日、「腹式呼吸が出来ました!」とその後の報告をもらえたりもしました。
研修後は記念撮影をして、次回また会える日に向けてお互い頑張ろうねと受講生といい関係を築くこともできています。
井上英里香アナウンサーの今後の目標は?
現役のアナウンサーならではの研修、受講生の皆さんの現場で活かされる授業をしたいです。
そのためにもアナウンサーとして活躍して、より多くの経験を積みたいと思っていますし、現役のアナウンサーとして何を伝えられるかということを常に考えて現場に入っています。
教える立場に立つことで、自身の話し方を見直すことになり、テレビやラジオの仕事にも活かされています。例えば、名刺の渡し方や目上の人と話す時の話し方や所作などは、講師の仕事を始めてからの方が自信が持てるようになりました。
講師とアナウンサー、これからもうまく両立して続けていきたいです。
これから講師の仕事を始めたいと思うアナウンサーにメッセージを!
構えず気軽に始めてほしいと思います。トークナビには、サポートしてくれる先生もいっぱいいます。私も初めは「講師」と言われることに違和感がありましたが、教えているうちにやりがいを感じて、「もっとやりたい」と思うようになりました。
実際に講師を始めたことで「伝える力」はアナウンサー以外のすべての職業の方に役立てて頂けるスキルなんだと実感しました。私の教えたことが受講生の仕事や日常のコミュニケーションに役に立てていただけることが大きなやりがいですよ。話し手として働いてきた自身の経験は、誰かの役に立てることがきっとあるはずです。